クラウドサービスの規約には驚きの特徴がある

クラウド企画・要件定義
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規約の驚きの特徴とは

クラウドサービスの規約には驚きの特徴があります。

AWSの規約の特徴(カスタマーアグリーメント)

AWSは、サービスを廃止し、撤退することについて、30日前までに利用者に通知する旨が利用規約に記載されているのです。



出典:AWS カスタマーアグリーメント

考えてみれば当たり前かもしれません。

これまでのオンプレミス環境ではあり得ませんでしたが、パブリッククラウドはAmazonが提供する環境を利用しているので、Amazonが事業を継続できないとなれば、サービス撤退することがあり得るからです。

とはいっても、Amazonのような大企業が、サービスを撤退するような事態が発生することが全く想像できませんが。

これはまさにクラウドサービスの特徴です。

これをクラウド特有のリスクと捉えるか、クラウドサービスを利用する上では、当たり前なので、リスクと捉えるまでもないとするかは、利用する方の考えによります。

カスタマーアグリーメントにはこうも書いてあります。


出典:AWS カスタマーアグリーメント

サービスの内容の変更がある際に、重大な変更は、12カ月前までにサービス利用者へ通知する。

かなり前もって通知をしてくれるみたいですね。パブリッククラウドなので当然ですね。

ただ、変更によりこれまでのような利便性等が失われたり、システム要件を満たせないなんてことになると怖いですね。でも、Amazonなら、きっとそんなことは無いと思います。

更にサービスレベルアグリーメント(SLA)の変更の場合は、90日前までに通知することを記載しています。


出典:AWS カスタマーアグリーメント

Azureの規約の特徴

それでは、Azureはどうなんでしょうか。

Azureについて調べてみました。

Azureのサービス撤退の事前通知は、Microsoftのオンラインサービス条件を参照します。

そこには、利用者に12カ月前に通知してくれる旨の記載があります。

Azureの場合は、AWSのカスタマーアグリーメントに相当するサブスクリプション契約があります。

そこにはAzureサービスはオンラインサービス条件に定義する通りの旨が、サブスクリプション契約内に記載があり、下記になるようです。
Azureサービスに関する質問を参考


出典:オンラインサービス条件

AWSより良心的ですね。AWSの場合、30日前までに通知されて、移行できるのかっていう心配がありそうですが、Azureは1年以上前に通知してくれるみたいです。移行までの準備期間が十分にありそうです。

Azureにおけるサービス内容の変更がある際については、重大なといった記載はなく、事前通知期間の設定がありません。

こちらもMicrosoftのオンラインサービス条件の参照となります。


出典:オンラインサービス条件

Azureのサービスレベルアグリーメント(SLA)の変更は、AWSと同じく90日前までに通知してくれます。

お客様に不利になる重要な変更が上記のいずれかの SLA に加えられる場合、マイクロソフトは 90 日以上前に通知します。

出典:AzureサービスのSLA概要

GCP規約の特徴

次にGCPについて調べてみました。

GCPは日本語に対応しておらず、英語になります。(2020年3月14日時点)

GCPのサービス撤退の事前通知は、Google Cloud利用規約を参照します。

そこには、利用者に12カ月前に通知してくれる旨の記載があります。

出典:Google Cloud 利用規約

翻訳すると以下になります。(英語は得意でないので参考までに)

7.サービス廃止

7.1 サービスの中止。セクション7.2では、Googleはお客様に対する責任を負うことなく、いつでも、どんな理由をもってしても、サービス、一部のサービスまたは機能を中止する可能性があります。

7.2 廃止ポリシー。Googleは、次の文のURLで指定されたサービスを中止する、もしくは後方互換性のない変更を行うかどうかを通知します。Googleは、商業上の合理的な努力として、https://cloud.google.com/terms/deprecationで特定される、それらのサービスバージョンと機能を運用し続けられるように、通知後、少なくとも1年間はそれらのサービスを変更しません。(Googleは合理的な善意ある判断のもと決定いたします。)

(i)法律またはサードパーティとの関係により義務付けられている(該当する法律または関係に変更がある場合を含む)

(ii)サービス廃止を行うと、セキュリティリスク、実質的な経済、技術事項に関して問題を発生させる可能性がある。

また、サービス・規約・SLAの変更に関しては以下の通りです。

サービスの変更は時々更新され、通知する。

規約の変更は事前に通知し、30日後に有効になる。

SLAに重大な影響を与える変更については、少なくとも90日以内までに通知する。

以下の文に記載されています。

出典:Google Cloud 利用規約

まとめ

・クラウドサービスは、他社の環境を使うことから、サービス撤退(廃止)を余儀なくされる場合がある

・AWSはサービス撤退(廃止)がある場合、30日前までにの通知
・AWSはサービスに重大な変更がある場合、1年以上前までに通知
・AWSはSLAに変更がある場合、90日前までに通知

・Azureはサービス撤退(廃止)がある場合、1年以上前までにの通知
・Azureはサービスに変更がある場合、事前通知はあるが、期間に設定がない
・AzureはSLAに変更がある場合、90日前までに通知

・GCPはサービス撤退(廃止)がある場合、1年以上前までにの通知
・GCPはサービスに変更がある場合、事前通知はあるが、期間に設定がない
・GCPは規約に変更がある場合、30日前に通知
・GCPはSLAに変更がある場合、90日前までに通知

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